ここだけの話、今回はこんな話です
障害年金は一度決定されても生涯にわたって受給できるわけではありません。
障害の状態によって、数年ごとに更新の手続きが必要だからです。
この更新手続きには不安が伴います。
なぜなら更新によって、減額されたり、年金を停められてしまうこともあるからです。
今回のコラムでは、2回にわたり、更新手続きに伴う深刻な不安の核心に迫ります。
更新手続きの提出が遅れてしまったらどうなるのか?
そして、特に精神障害を抱える方々にとって、更新手続きがどれほど困難なのか。
その「問題」の正体を、専門家の視点から深く、そして具体的に解説していく「後編」です。
前編はこちらをご覧ください。
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遅れたらどうなる?知らないと損をする障害年金更新の落とし穴 前編
ここだけの話、今回はこんな話です 障害年金は一度決定されても生涯にわたって受給できるわけではありません。 障害の状態によって、数年ごとに更新の手続きが必要だからです。 この更新手続きには不安が伴います ...
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ここだけの話、更新手続の専門家への依頼が増えている
近年、障害年金の更新手続きを社会保険労務士(社労士)のような専門家に代行依頼する、という選択が急速に広まっています。
これは、単に「手続きが面倒だから」という理由だけではありません。
障害年金を取り巻く環境が大きく変化し、専門家のサポートがこれまで以上に重要となっている現実があります。
「前編」では、障害年金の更新手続きにおける提出遅延のリスクについて見ました。
特に精神障害を抱える方が直面する「見えないハードル」について詳しく解説しました。
障害の症状そのものが手続きの遂行を阻むという、過酷な現実をご理解いただけたかと思います。
この後編では、その困難な状況を乗り越えるための方策として、なぜ今、専門家に手続きを依頼するという選択が、合理的かつ戦略的な一手となり得るのかを掘り下げていきます。
ここだけの話、なぜ専門家の力を必要とするのか
なぜ専門家の力が必要とされるのか。
その背景には、深刻な「問題」があります。
それは、障害年金の審査が、もはや形式的な確認作業ではなく、新規申請と同レベルの証拠能力が求められる「再申請」に近いものへと変貌しているという事実です。
2025年6月に厚生労働省が公表した調査報告書は、審査の現場で「質の変化」が起きていることを示唆しています。
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厚労省報告書を徹底解剖!障害年金「不支給増加」の真相
ここだけの話、今回はこんな話です 2025年3月以降、精神障害による障害年金の不該当者が増加しているという報道が頻繁に行われています。 本当にそうなのでしょうか? 前回のコラムでは、これらの報道につい ...
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SNSなどで制度の認知度が向上し申請者が急増する一方で、残念ながら書類の準備が不十分なケースも増え、審査側がより慎重に、言い換えれば“疑いの目”で書類全体を見る傾向が強まりました。
その結果、本来であれば支給されるべき正当な申請までもが、この厳格化の影響を受けるリスクが高まっています。
この「審査の厳格化」という問題に対し、障害を抱えながら一人で立ち向かうのは、あまりにも負担が大きく、リスクが高いと言わざるを得ません。
日常生活の困難さを、法的な評価基準に沿った言葉で、矛盾なく、かつ客観的に証明する。
この極めて専門的な作業が、今の更新手続きでは求められているのです。
ここだけの話、みんなのねんきんはこう対応する
この厳しい状況を乗り切るための最も有効な対応策が、「障害年金専門家」を活用することです。
ここでは、障害年金手続きを専門的に行う「みんなのねんきん社会保険労務士法人」がどのように問題を解決したのか、具体的な事例を2つご紹介します。
実録!こう解決した更新手続きのトラブル
事例1 提出期限を過ぎてしまった!
うつ病を患うAさんは、更新の通知が届いたものの、症状の悪化でどうしても手続きを進められず、気づけば提出期限を過ぎていました。
「年金が止まってしまう」というパニックと自己嫌悪で、さらに体調を崩してしまう悪循環に。
そんな中、藁にもすがる思いで弊社にご相談されたのです。
私は、まず「現症日(医師の診察日)」のルールを確認するところから始めました。
Aさんには

と伝え、すぐに主治医に診断書を依頼するよう指示しました。
ポイントは、診断書の現症日を、本来の提出期限から3ヶ月以内に収めることでした。
これらをきっちり説明すると、Aさんも落ち着いていただけました。
その後、更新の書類一式を提出。
結果、年金の支払いは一時的に止まりましたが、現症日が「3ヶ月の安全圏」にあったため、止められていた期間の年金が全額さかのぼって支払われ、金銭的な損失は一切発生しませんでした。
もしこのルールを知らずに、さらに受診が遅れていたら、Aさんは数ヶ月分の年金を永久に失うところでした。
事例2 自分で手続きしたら支給停止に・・
双極性障害を抱えるBさんは、ご自身で更新手続きを行いました。
当時は症状が比較的安定しており、親戚の職場で短時間の軽作業をしていたこともあり、その事実をそのまま記載して提出。
その結果、「就労できるほどに回復した」と判断され、無情にも支給停止の通知が届きました。
生活の糧を絶たれたBさんは絶望し、弊社に助けを求めました。
まずはBさんの状況を丁寧にヒアリングするところから始めました。
・・・すると、「職場からの特別な配慮」や「不規則な勤務実態」、「労働が症状に与える悪影響」など、Bさんが一人では伝えきれなかった重要な事実が次々と明らかになったのです。
そこで、弊社ではこれらの事実をまとめた詳細な報告書を作成し、Bさんを経由して主治医に提供したのです。
そして、実態に即した診断書を改めて作成してもらい、「支給停止事由消滅届」の提出で年金の再開を申請しました。
その結果、一度は停止された年金が見事に復活。
Bさんの

とおっしゃっていたのが、印象に残っています。
みんなのねんきんが意識する4つのポイント
これらの事例が示すように、専門家への依頼は、単に書類作成を肩代わりしてもらう以上の、多岐にわたるメリットがあります。
ここからは弊社が提供できる手続き代行の4つのポイントをご紹介しましょう。
1 「プロジェクトマネージャー」が全体を把握する
みんなのねんきんでは、期限管理から医療機関との連携、書類提出まで、煩雑な手続きを全て代行します。
年金決定までの道筋を考え、合理的に到達できるようプロセス全体を管理するプロジェクトマネージャーとしての役割を担います。
これにより、あなたは手続きのストレスから解放され、最も大切な治療や療養に専念することができます。
特に精神的な不調を抱えている場合、役所とのやり取り自体が大きな負担となり得ます。
その全てを弊社が防波堤となって手続きを進めます。
2 「戦略家・翻訳家」として書類の質を高める
この点がみんなのねんきんが提供できる最大の価値と言えます。
弊社において、あなたの現状を詳細にヒアリングして効果的な「戦略」を考えます。
そして、あなたの日常生活の困難さを「翻訳」し、診断書と申立書に一切の矛盾がない「スキのない申請書類」を構築します。
また、医師に診断書を依頼する際に、伝えるべきポイントをまとめた参考資料を提供し、実態に即した診断書が作成されるよう強力にサポートします。
これは、前編で触れた「パフォーマンスのパラドックス」を乗り越え、医師に障害の実態を正確に理解してもらうための極めて有効な手段です。
3 「リスク管理者」として不測の事態に備える
みんなのねんきんでは、あなたの状況から潜在的なリスク(例:就労の事実、症状の変化)を事前に見抜き、その対策を考えます。
万が一、不本意な結果になった場合でも、不服申立て(審査請求)の手続きを迅速かつ的確にサポートできます。
実は不服申立ては対応できないという専門家も多くいるのです。
一度不支給の決定が下されると、それを覆すのは非常に困難であり、専門的な知識が不可欠となります。
4 「長期的なパートナー」として将来の安心を得る
障害年金の受給は、多くの場合、1年から5年ごとの更新が必要です。
一度依頼した専門家とは、その後の更新時にも継続して相談できる関係を築くことができ、将来にわたる安心感を得ることができます。
実際にみんなのねんきんにおいても、

と再度の依頼を受けることが多数あります。
あなたの状況を深く理解した「かかりつけの専門家」がいることは、大きな精神的支えとなるでしょう。
特に、
- 転院して主治医が変わった
- 就労移行支援事業所に通い始めた
- 就労している
- 症状が改善傾向にあると感じている
という方は、更新時に状況を丁寧かつ戦略的に説明する必要があります。
みんなのねんきんのサポートを検討してみてください。
ここだけの話、今回のまとめです
今回の後編では、専門家を活用した更新手続きの乗り越え方について解説しました。
ポイントは以下のとおり。
- 「スキのない書類」は、更新でも必須。審査が厳格化された今、「診断書さえあれば大丈夫」という考えは通用しません。書類全体の整合性と客観的な証拠があなたの権利を守る最強の盾となります。
- みんなのねんきんは、航海を導く「羅針盤」として支援します。 複雑でストレスの多い更新手続きにおいて、リスクを管理し、その負担を軽減し、正しい方向へと導ける専門家が必要です。
2025年6月に厚生労働省の報告書が示した審査の転換点は、症状の客観的な証拠に基づき、矛盾なく、かつ丁寧に伝えることの重要性を浮き彫りにしました。
一度決まった障害年金の権利を失わないために、審査の転換を把握することが重要です。
あなたが、更新手続きにおいて少しでも不安を感じたら、決して一人で抱え込まないでください。
私たちみんなのねんきんは、皆様が安心して治療に専念できるよう、その航海を支えるために存在しています。
どうぞお気軽にご相談ください。
岡田真樹
みんなのねんきん社労士法人代表