【2026年最新動向】そのカルテ提出が不支給を招く?激変した障害年金審査の裏側とは

社会保険労務士 岡田真樹

岡田真樹 みんなのねんきん社労士法人代表

大学卒業後メーカー勤務中に左手を機械に巻き込まれ、親指以外を失う大ケガを負う。その後は障害者雇用の枠で聴覚・発達・精神・身体障害を持つ方々と働いた経験を持つ。障害年金の手続きを自ら行なったことを契機に社会保険労務士の道へ。2021年より現職。年間約1000件の相談に応じている。

【みんなのねんきん】岡田社労士

岡田真樹

みんなのねんきん社労士法人代表

ここだけの話、今回はこんな話です

今回は、2026年3月現在の障害年金の審査の現場で起きている客観的な事実をお話しします。

メディアも注目する審査環境の変化についてです。

そして、この激変する環境下で、困難な案件に対してどう年金受給に結びつけるのか。

他で断られたり、不支給になったりした案件への対策はどうすべきか。

私たち「みんなのねんきん」がこの環境変化にどう対応しているかを公開します。

ここだけの話、今回はどんな事例?

厳格になった?障害年金の審査

先日、とある報道機関からみんなのねんきん社労士法人に問い合わせがありました。

チャーミー
チャーミー
◯◯社の記者です。障害年金を審査する機関からカルテ提出を求める『返戻(へんれい)』が激増しているとのことですが。現場はどうなっていますか?

実は今、弊社の手続代行実務でも記者が言うような事態が起きているのです。

”障害年金の申請書類が戻ってきて、すべてのカルテを出すよう指示された”

”カルテ開示に数万円もかかる。生活が苦しいのに払えない…”

今、障害年金の審査の現場はかつてない転換期にあると言えます。

というのも、審査のハードルが劇的に上がったと感じるからです。

これまで障害年金が認められていたケースが、同じケースなのに簡単には認められない、つまり、厳格に審査されるようになった印象を受けるのです。

激増する「カルテ提出」の指示と、実務対応の大きな変化

障害年金の申請書類を提出した後、年金機構から書類が差し戻されることがあります。

「より詳細な確認が必要なため、追加資料を出してください」

という指示です。

これを「返戻(へんれい)」と呼びます。

今、この返戻の指示が以前と大きく変わっています。

特に増えているのが、「カルテ(診療録)を出してください」という要求です。

これまで障害年金の審査は、主治医が書く「診断書」が中心でした。

しかし、提出した診断書の裏付けとなる「日々のカルテ」を要求する機会が増えているのです。

つまり、過去に遡って、厳格に確認されるケースが増加しているということ。

以前なら、弊社が年金機構から受けたこうした返戻には「審査に必要ですから」と依頼者に説明し、そのままカルテを取得してもらいました。

しかし、以前はこのようなカルテ提出の指示はごく僅かだったのです。

ところが、2026年3月現在、カルテ開示を求める返戻が激増しています。

こうなると、現場の対応は変わらざるを得ません。

私たち実務家にとって、カルテの取得は慎重な判断が必要となります。

なぜなら、カルテの開示には費用がかかるからです。

数千円から、場合によっては数万円単位の出費になります。

申請する方の多くは、病気やケガで経済的に困窮しています。

生活費すらギリギリの中で、数万円の資料代を負担できるのか。

「お金がなくて費用が捻出できず、提出を諦めるしかない…」

その結果、手続きが進まず不該当(不支給)となるケースもあるのです。

なぜ?苦労して取得したカルテが「不支給の理由」に?

さらに、費用面にはないデメリットがあります。

例えば、障害年金が不支給となった場合、審査をする側はその理由を「総合的に判断した結果」と説明します。

カルテの内容「だけ」で落としたわけではない、というのが審査側の見解です。

しかし、当事者としては到底納得できるものではありません。

無理をしてお金を払い、苦労して取得して提出したカルテ。

そこに書かれた「診察室での表面的なやり取り」などのわずかな記載。

例えば、

「いつもと変わらない」

「受け答えできている」

というような障害状態が軽いことを連想をさせる記載です。

それが決定的な障害年金申請の矛盾とみなされ、障害状態不該当の根拠にされてしまう現実があるのです。

高額な費用を払って出した証拠が、自分の首を絞めてしまう。

カルテ開示の指示が激増する中で、今は安易に「指示通りカルテを取りましょう」とは依頼者に言えません。

費用と審査リスクの板挟みの中で慎重な判断が求められるからです。

本当に費用をかけて取得すべきか。

それとも別の方法で対抗すべきか。

今、実務の現場には、常に重苦しい悩みがつきまとっています。

障害年金は、国民を支えるセーフティネットです。

申請書類として本来必要とされていないカルテを要求する事態が増えれば、本来救済されるべき人が、制度からこぼれ落ちてしまう。

これは制度の目的が揺らぎかねない、深刻な事態と言えます。

なぜ返戻が増えたのか?「仕組みの変更」の事実

なぜ、これほど詳細なカルテの提出が求められるのでしょうか。

理由は、国が定めた「審査プロセスの明確な変更」にあります。

発端は、2025年6月に厚労省が公表した調査報告書です。

これを機に、審査の仕組みが抜本的に見直されました。

以前は、年金機構の事務職員が書類を事前に確認していました。

「等級の案」を作って認定医に示す運用がありました。

しかし、医師に予断を与えるとして完全に廃止されました。

さらに、単独の医師の判断で不支給を決めることも禁じられました。

必ず「複数の認定医」が関わる合議制に変わったのです。

現在の審査は、「職員主導」から「複数の医師による医学的かつ客観的な判断」という「医師主導」に移行したのです。

一見すると、これで障害年金の審査の現場は以前より改善されたとも思われます。

ところが・・・。

「医学的判断」と「法的解釈」の間に生じたギャップ

この変化が、障害年金審査の現場にどんな影響を与えているのでしょうか。

そもそも、障害年金は「法律」に基づく制度です。

年金法や各通達、過去に蓄積された無数の裁決例や裁判例があります。

過去の審査では、初めて医師の診断を受けた日(初診日)の証明が難しい場合でも法的な解釈で柔軟に対応してもらえました。

第三者の証明や診断書を総合的に考慮して認定されるケースがありました。

しかし現在は、純粋な「医師による医学的判断」が軸です。

私たち実務家は、現場で強い懸念を感じています。

それは、過去の法的・行政的な判断の流れが、審査に反映されにくくなっているという点です。

認定医の先生方は法律家ではなく、医学のプロです。

書類に少しでも説明不足を感じると、法的な解釈で推し量ることはしません。

あくまで「カルテなどの医学的資料」を追加で確認しようとします。

それにより、慎重に事実認定を行う傾向が強まっていると言えます。

これが、現場でカルテ提出の返戻が激増している背景だと推察します。

パンク寸前の行政 再審査請求は「8カ月待ち」の異常事態へ

この返戻の激増と審査の厳格化は、申請者の負担にとどまりません。

今、障害年金行政全体が深刻な目詰まりを起こしています。

まさにパンク寸前の状態に陥っているのです。

私たち社会保険労務士などの専門家も例外ではありません。

不支給のご相談が殺到し、次々と来る返戻への対応に追われています。

障害年金手続き代行の現場はかつてないほど圧迫されています。

これを裏付ける客観的な事実があります。

それは、障害年金不認定に納得がいかず、不服を申し立てる件数が急増していることからもわかります。

具体的には審査期間の目安が、「6カ月」から8カ月」へと公式に延長されたのです。

一度不支給になれば、結果を覆すために途方もない時間がかかります。

もちろん、半年以上かかったとしても期待する結果になるとは限りません。

不服申立てを含めれば、最終的に1年以上も費やさなければならないのが実態なのです。

ここだけの話、みんなのねんきんはこう対処する

不服申立てを見越した申請戦略

一度つまづいてしまうと果てしない時間がかかる、障害年金の審査。

申請者はどう対応すればよいのでしょうか。

問題となるのは、いわゆる「難事例」です。

他で断られた」「自分でやったら不支給になった」といったケースです。

今の審査体制で、難事例に従来のアプローチで挑むのは危険です。

カルテ提出の返戻を何度も求められるかもしれません。

不支給となり、不服申立で1年以上も待たされるリスクも否定できません。

弊社は「難事例」が寄せられても、その多くに対して年金受給という結果を出してきました。

それは、申請の最初の段階から手を打ってきたからです。

万が一不支給になった際に行う「不服申立」まで見越した申請書類を最初から作成するという方針で臨んでいるのです。

難事例に対するみんなのねんきんの対応策とは

私たちは難事例において、必要とされる申請書類に加えて、特別な文書を添付します。

実務上は「上申書」と呼ばれる書類です。

これは、審査を行う医師に向けた「法的意見書(ナビゲーション文書)」として作り込んだものです。

岡田社労士
岡田社労士
一見すると要件を満たしていないように見えるかもしれません。しかし過去の裁決例などに照らすと、法的にはこう評価されるべき事案です

このように論理的に説明するための、専門的な意見書です。

医師の純粋な「医学的判断」を、正しい「法的枠組み」に落とし込む。

そのための橋渡し(ナビゲート)をする役割を担います。

もちろん、単に意見を述べるだけではありません。

その主張を裏付ける「客観的な根拠資料」も、最初からセットで添付します。

例えば、初診日の証明が難しく門前払いされたケース。

現在の資料が十分な証拠能力を持つことを論証し、裏付けの資料を添えます。

また、就労を理由に不支給とされたケース。

職場の配慮や家族の援助を整理し、自立した就労能力がないと証明します。

これらをまとめた上申書と根拠資料を、最初から提出します。

「現在の資料で法的に要件を満たしている」と明確に提示するのです。

これにより、医師が疑問から無用なカルテを求めることを防げるはず。

難事例であっても、適正な認定へと導くことが可能になります。

ここだけの話、今回のまとめです

【みんなのねんきん】岡田真樹社会保険労務士

今回は、2026年3月現在における、障害年金の審査の変化について、みんなのねんきんがどのように対処しているか解説しました。

ポイントは以下のとおり。

  • 2026年3月現在、障害年金の審査が厳格化したと感じるようになった
  • カルテ提出の指示をする返戻が激増し、申請者側の手続き負担が増大している
  • 「職員主導」から「医師主導」に移行したことにより、過去の法的解釈の積み上げが審査に反映しなくなった
  • みんなのねんきんでは法的解釈の意見を添付して年金受給に結びつく工夫をしている

2025年から2026年の制度改定で、障害年金の審査は完全に「医師主導」へシフトしました。

厳格な証拠主義に基づく、法的・医学的な精査の時代です。

申請者には、少しの矛盾も許されない立証責任が求められます。

障害年金は、理不尽な傷病から立ち直るための命綱です。

一度不支給になったり、年金事務所で難しいと言われたりしても、決して諦める必要はありません。

とはいえ、ノウハウの無い人が立ち向かうことは難しいと言わざるをえません。

障害年金審査の「内部構造」を深く理解する必要があるからです。

「初診日の証明が出せなくて途方に暮れている」

「自分で申請したら不支給になり、どうしていいかわからない」

「他の専門家に依頼したが、難しいと断られた」

もしそんな絶望的な状況にいるのなら、一人で抱え込まないでください。

私たち「みんなのねんきん社会保険労務士法人」には対応する力があります。

まずは、あなたの今の状況をありのままに教えてください。

私たちが最強のパートナーとして伴走いたします。

  • この記事を書いた人
社会保険労務士 岡田真樹

岡田真樹 みんなのねんきん社労士法人代表

大学卒業後メーカー勤務中に左手を機械に巻き込まれ、親指以外を失う大ケガを負う。その後は障害者雇用の枠で聴覚・発達・精神・身体障害を持つ方々と働いた経験を持つ。障害年金の手続きを自ら行なったことを契機に社会保険労務士の道へ。2021年より現職。年間約1000件の相談に応じている。

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