ここだけの話、今回はこんな話です
障害年金の手続き代行をするうえで、対面でご相談に応じることは非常に重要ですし、われわれの業界はそれが当たり前と考えています。
ところが、最近では、メールのみ・LINEのみのやり取りだけで、障害年金の手続き代行を行うケースが増えてきました。
今回は、対面よりもメッセージのやり取りが求められる実状と、私が経験した事例で苦労した点をご紹介します。
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ここだけの話、メールやLINEのみで手続きすること増えてます
社会保険労務士が障害年金の手続き代行を行うときは、地域を限定してその依頼を受けるのが普通です。
というのも、
我々専門家は、相談者から病状や生活状況を伺うわけですが、顔を見ながら話し方や身振りなどからも情報が得られるため、面談を行うことが当たり前となっているからです。
したがって、面談できる地域の範囲内で活動するのが普通です。
一方、
みんなのねんきん社労士法人も面談を行うことはもちろんですが、最近ではメールのみ・LINEのみのやり取りだけで、手続き代行を行うケースが増えてきています。
したがって、地域に限定することなく、全国からの手続き代行に応じています。
なぜ、他の専門家と異なるやり方をしているのか。
実はこんないきさつがあったらからです・・。
こうしてみんなのねんきんはメールやLINEにシフトした
きっかけはコロナ禍!面談なんてもってのほかの雰囲気でした
みんなのねんきん社労士法人を設立したのは2020年3月。
ご存知のとおり、翌月の4月には全国的に緊急事態宣言が出され、「人と会うなんてとんでもない」と社会環境が一変してしまいました。
そもそも、弊社も他の専門家と同様、面談を中心とした手続代行を考えていたのですが、会社設立早々、方向転換を余儀なくされました。
そこで、
面談を行わない手続代行に舵を切ったのです。
フリーダイヤルによる電話相談はもちろん、メールやLINEなどのツールを使った相談にシフトしていくことにしたのです。
精神疾患の特性上、面談が難しいケースも?
一方、
相談する側にとっても面談を希望されない事情があるようです。
弊社の相談の9割はうつ病などの精神疾患による障害年金の相談ですが、過去にこのような悩みを伺ったことがあります。
- 単独での外出ができない
- 外出すること自体、その準備が難しい
- 対面での会話が怖い
- 咳払い、周囲の音が気になる
- 約束日を忘れてしまう
- 体調管理に不安がある
実際、これまでの電話相談で、私の「うなずき」が気に入らないと、電話を切られてしまったこともありました。
これは「咳払い、周囲の音が気になる」に該当するのではないでしょうか。
ここで、
精神疾患と一口に言っても、うつ病、双極性障害、ADHDなど様々あり、またこれら障害の特性も個人個人で差があります。
無理に面談をお願いしたところ、症状が悪化してしまうようなことがあったらいけません。
また、
LINEなどのコミュケーションツールの利用が当たり前になっていることも影響していると考えられます。
実際に人に合う手間を掛けるよりも、手軽に相談できるLINEなどを活用したいと思うのは当然のことです。
まとめると、
- 社会環境が一変したこと
- 精神疾患で悩む方の相談ニーズに合致したこと
これらがあったためにみんなのねんきんではメールやLINE相談にうまくシフトできたのでした。
ここだけの話、面談できないことのデメリットは?
メリットが大きいと思われるメール・LINE相談ですが、もちろんデメリットもあります。
最初に記載したとおり、障害年金の手続き代行では、相談者の病状・生活状況を細かく確認・把握が必要になります。
面談をすれば、対面でコミュニケーションを取りますので、多くの情報が得られます。
仕草、顔色、話し方、服装など。
電話でのやり取りでは、話し方、声のトーン、話すテンポがわかります。
またテレビ電話もありますので、画面越しですが、顔色なども確認できます。
相手との信頼関係を築けるよう、目を見て話す・適切に頷くこともできます。
「ちゃんと聞いてますよ」と、こちらの仕草で訴えることができます。
傾聴の手法などでも相手の目を見ながら聴くことは、重要とされています。
これらが対面で相談に応じる場合のメリットです。
逆に、
メールやLINEのやり取りでは、視覚・聴覚から得られる情報がありません。
ここが大きなデメリットです。
顔を見て話すこともできないですので、「ちゃんと聞いてますよ」と訴えることもできないのです。
手軽に相談できる反面、嫌だと思えばすぐにブロックできます。
これらのデメリットをどう乗り越えて障害年金に結びつけるか、それが大きな問題となります。
ここだけの話、みんなのねんきんではこう対応している
大事なのは、心構え・マナーよりもわかりやすさ・焦らない
それでは、みんなのねんきんではどのようにメール・LINEを活用してコミニュケーションしているか私が意識していることをお話します。
まずは、心構えが大切です。
精神論になって、恐縮ですが、相手の状況を慮る(おもんぱかる)ことです。
どれだけ、相手の悩みを受け止めることができるか。
どれだけ、相手に寄り添えるか。
悩みを抱える相談者の力になりたいという心構えをしっかり持つことです。
文字情報だけのやり取りですから、必ずしもこちらのペースでやり取りできるとは限りません。
対面であれば、軌道修正も容易ですが、メールやLINEでは簡単ではありません。
こちらがペースをつかめないと、無意識のうちに、相手にイライラをぶつけてしまう。
これは、絶対に避けなくてはいけません。
また、
メッセージでやり取りする上での具体的な注意点を列挙しましょう。
大事なことはマナーよりもわかりやすさです。
前文や言い回し、あいまいな表現がないように、文章を作っていきます。
メールですと、ビジネスマナーが一般的にありますが、マナーに固執すると、必要ない文章やわかりにくい文章になってしまいます。
誰が読んでもわかる文章になるよう気を付けています。
あとは、焦らないことも重要です。
焦ってしまうと、文章が抜けてしまうことや、言葉足らずになってしまうことがあります。
じっくり焦らず、落ち着いてメッセージのやり取りをするようにしています。
メール・LINEのやりとりのみで障害年金が決定したお客様をご紹介
最後に、メッセージツールだけで、年金受給に結びついたお客様の声をご紹介します。
岐阜県 山下高広さま 2022年10月決定
こちらの方は、LINEのみのやり取りでしたが、必要な情報をしっかり聴き取ることができました。
年78万円の障害年金2級が決定し、過去に遡及した分(416万円)も認められました。
相談者の力になれて、本当に良かったと感じています。
千葉県 M・Nさま 2023年5月決定
この方は、初診の医療機関が閉院(当時の医師が亡くなっている)しており、初診の証明が難しい方でしたが、LINEのやり取りのみでヒアリングを行っています。
また、障害に応じた就労もされており、その点の聴き取りにも重点を置きました。
北海道 A・Oさま 2021年12月決定
この方は、LINEではなく、メールのみのやり取りでした。
メールの場合、分量が多くなりすぎないようにするのと、堅苦しい言い回しにならないよう気を付けました。
うつ病で2級(78万円)が決定されています。
ここだけの話、今回のまとめです
今回は、障害年金手続き代行をメールやLINEのみのやり取りで行ったケースについて私の経験・思うところをまとめました。
ポイントは以下のとおり。
- 精神疾患の特性により、個人個人の事情で面談・電話ができないことがある
-
メールやLINEでのやり取りは相手を慮る心構えが重要
- メッセージのやり取りで大事なのは、心構え・マナーよりもわかりやすさ・焦らない
-
メールやLINEのみでも問題なく手続きが進められる
他の専門家とお話したところ、電話だけでなく、メッセージのやり取りで相談に応じることが増えているとのこと。
今後は、電話や面談よりもこのような相談形態が広まっていくことが予想されます。
スマホから気軽にできますので、我々も適切に対応する能力が求められます。
最後に、対面での相談に不安を感じられているみなさま!
弊社はメールやLINEのみで障害年金の手続きを進められます。お気軽にご相談ください!
岡田真樹
みんなのねんきん社労士法人代表