うつ病かも?医者に診てもらう前に必ずやっておきたい1つのこと

【みんなのねんきん】岡田社労士

岡田真樹

みんなのねんきん社労士法人代表

ここだけの話、今回はこんな話です

障害年金の相談を受けていると、「保険料を納めていなくて…」との相談が想像以上に多いんです。

保険料を納めていなければ万一、障害状態となった場合に保障が受けられません。

障害状態が続く限り障害年金が受給できるわけですから、その額は数千万円に登る可能性もあります。

年金制度に対する誤解や勘違いでこの数千万円の保障が受けられないことはもったいないどころの話ではありません。

年金に対する正しい知識を身につけて、受け取れるものはしっかり受け取りたいものです。

そこで今回は、未納を防ぐためにも知っておきたい最新の保険料納付・免除申請の方法をご紹介しながら、医者に診てもらう前に必ずやっておきたい手続きを最後ご紹介します。

ここだけの話、こんな症状・こんな事例です

岡田社労士
岡田社労士
なんでこんなに保険料を納めていない人が多いんだ!

みんなのねんきんではこんなことを思うことが日常茶飯事です。

この点、以前からのコラムで保険料納付の重要性を訴えてきました。

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もちろん、年金行政も障害年金に関する広報を行っているのですが、まだまだ伝わっていません。

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このような状況下で、近年、保険料の納付や免除申請に新しい方法が登場しています。

保険料未納による障害年金を受け取れない事態を防ぐためにも、新しく登場した保険料納付や免除申請の方法をご紹介するのが今回のコラムのメインテーマです。

ここだけの話、何が問題なのか?

まずは障害年金制度における保険料納付の要件を確認しましょう。

初めて医者に診てもらった日の前日において、以下のどちらかを満たせば問題ありません。

  1. 直近1年間未納がない
  2. これまでの年金加入において未納の期間全体の3分の1以下である

ここでいう「未納」というのは、保険料の納付書が届いている人で、自分自身が保険料を納める必要があり、その支払をしていない状態のことを指します。

もちろん、保険料を納めていれば何も問題ありません。

また、免除申請の手続きをしたうえで保険料を免除されている人も「未納」ではありません。

ただし、一部の免除を受けて、残り一部の納付書が届いている場合は、必ずその残り一部は納付してください。

納付しなければ「未納」となります。

例えば、免除申請した結果、”4分の1免除にする”という決定がおりたら、残りの4分の3を納めて初めて「4分の1免除の期間」と認められるからです。

逆に納付書が届かない以下の人は未納とはならないので安心してください。

立場上、保険料を納めていることになっているからです。

  • 会社勤めをしていて社会保険(厚生年金・健康保険)に入っている
  • 配偶者の扶養に入っていて国民年金の第3号被保険者となっている

それでは、最近新しく登場した保険料を納める方法とはどのようなものか、免除申請の方法と一緒に未納を防ぐ手段が問題となります。

ここだけの話、保険料を納める・免除の申請がここまで簡単になった

これまでの納付方法のおさらい

従来からある保険料を納める方法としては、郵送された納付書で納付する方法、クレジットカードで納付する方法があります。

納付書の場合は、説明するまでもありませんが、金融機関、郵便局、コンビニエンスストアで支払い可能です。

金融機関は具体的に、全国の銀行、ゆうちょ銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫、農業協同組合、漁業協同組合になります。

コンビニエンスストアについては、セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン、セイコーマート、ミニストップ、デイリーヤマザキ、など、ほとんどのコンビニエンスストアでの納付が可能です。

また、MMK設置店でも納付できます。

公共料金等の窓口収納サービス MMK設置店|株式会社 しんきん情報サービス
公共料金等の窓口収納サービス MMK設置店|株式会社 しんきん情報サービス

MMK設置店の都道府県別リスト

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MMKとは”マルチメディアキオスク”の略で、専用の端末があるので納付書が使えるわけです。

例えば、東京においては、JRの駅構内にある「NewDays(ニューデイズ)」が典型例です。

スマホでも納付できるようになった

納付書での納付する場合、金融機関やコンビニエンスストアに出向く必要がありました。

相談を受けていると、病気により出掛けることができず、未納になっているという方も結構いらっしゃいます。

そんな方に朗報です。

最近ではスマートフォンからの納付も可能となっています。

スマートフォンで納付可能な決済アプリは以下になります。

  • auPAY
  • d払い
  • PayB
  • PayPay
  • 楽天ペイ

スマートフォンアプリでの納付方法は、3ステップです。

  1. 決済アプリを起動する ※初めて利用する方は対応する決済アプリをダウンロードし、利用者登録が必要
  2. 端末のカメラ機能で納付書のバーコードを読み取る
  3. 内容を確認し、パスワードを入力すると完了

スマートフォンアプリでは、出向く必要もなく、24時間いつでも納付することができます。

その他にも、電子納付(Pay-easy)で納付では、インターネットバンキング、モバイルバンキングの利用が可能です。

ちなみに、年金ではないのですが、知人は楽天ペイを利用して住民税を納めています。

楽天ペイからQRコードを読み取ってあっという間に支払い完了。一番のメリットは手元に現金がなくてもすぐに払えるところだとか。

便利な世の中になりました。

免除申請もスマホから可能に!

保険料を納められないなら免除申請をすべき。

この免除申請もスマートフォンからできるようになりました。

保険料免除制度は所得が少ないことで申請できる「申請免除」、50歳未満の人が利用できる「保険料納付猶予制度」、学生のみが利用できる「学生納付特例」に対応しています。

ただし、申請を行うためには、「マイナンバーカード」が必要です。

具体的にはオンラインで行政手続きができる「マイナポータル」にログインすることが必要です。

なにかと騒がれたマイナンバーカードですが、マイナンバー(個人番号)と基礎年金番号の連携は問題なく行われました。

健康保険証や公金受け取り口座との連携にそのノウハウが上手く反映されなかったのは残念です。

ここだけの話、みんなのねんきんは保険料未納についてこう考える

そもそも公的年金は、保険制度をとっています。

とすれば、保険金を受け取るためには保険料を納めていることが必須のはず。

民間の保険であっても国の保険でもあっても、それは同じです。

保険料を納められないのであれば免除の制度も用意されています。

しかも上で紹介したとおり、外出しなくても納付・免除申請ができるようになっています。

ただ、理屈はそうでも、過去には社会保険庁や年金機構に不祥事があったことは事実。

時間が経ったとはいえ、年金行政に対する不信感が払拭したとは言えないでしょう。

しかしだからといって、未納にして良いことなどありません。

現に弊社に相談された方で、障害年金が受給できる程度の重い障害状態でも、未納期間が多いために障害年金を断念せざるを得ない方を多数見てきました。

あとから「国の周知が足りない」と言ってみたところでどうにもならないのです。

こんな相談現場を見ているからこそ、私たちは、公的年金が「保険制度」になっていることをしっかりお伝えするよう意識しています。

ここだけの話、今回のまとめです

今回は、国民年金の保険料納付や免除の申請が最近簡単になっていることについて解説しました。

ポイントは以下のとおり。

  • 障害年金を受け取るためには保険料納付の2要件のうちどちらかを満たす必要がある
  • 保険料を納める、免除申請をする方法はスマホでもできるようになった
  • 公的年金も「保険」であり、保険料を納めなければ給付も無い。つまり、未納にしておいて良いことなど何一つない

最後にみんなのねんきんに寄せられた相談エピソードをご紹介。

このエピソードがコラムのタイトルにある「必ずやっておきたいこと」です。

先日のこと、

ある方から「精神疾患かもしれない」との相談がありました。

その方はまだ医療機関を受診されていないとのことでした。

保険料について確認すると、「外出できなくて何もできていない」とのこと。

幸い、その方はマイナンバーカードを取得されていましたので、スマートフォンで免除が申請できることを説明しました。

そして、今はオンラインで診療を受けられるメンタルクリニックがあることを説明し、必ず保険料の対応をしてから受診するようアドバイスしました。

上で説明したとおり、「初めて医者に診てもらった日の前日において」納付なり、免除の申請をしている必要があるからです。

治療の経過によりますが、もし、将来障害年金が必要な状況になってしまったときには、保険料の要件を満たせることになります。

このように、みんなのねんきんではいますぐ障害年金の手続代行ができない方であっても適切なアドバイスを心掛けています。

いつか「保険料の要件」に問題ない人が増えたと実感できる日が来るまで、引き続き、保険料納付の重要性について発信し続けたいと思っています。

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岡田真樹 みんなのねんきん社労士法人代表

大学卒業後メーカーに勤務。仕事中に左手を機械に巻き込まれ、親指以外を失う大ケガを負う。転職後、障害者雇用の枠で聴覚障害・発達障害・精神障害・身体障害を持つ方々と一緒に働いた経験を持つ。障害年金の手続きを自ら行なったことから年金制度に興味を持ち、社会保険労務士試験に合格。2020年よりみんなのねんきん社会保険労務士法人で実務の最高責任者を担い、2021年に代表就任。

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