2.7%義務化の処方箋!みんなのねんきんの「辞めない」障害者雇用支援とは

社会保険労務士 岡田真樹

岡田真樹 みんなのねんきん社労士法人代表

大学卒業後メーカー勤務中に左手を機械に巻き込まれ、親指以外を失う大ケガを負う。その後は障害者雇用の枠で聴覚・発達・精神・身体障害を持つ方々と働いた経験を持つ。障害年金の手続きを自ら行なったことを契機に社会保険労務士の道へ。2021年より現職。年間約1000件の相談に応じている。

ここだけの話、今回はこんな話です

みんなのねんきん社会保険労務士法人は「年金で障害者に寄り添い、年金で社会に貢献する」をビジョンに掲げています。

このビジョンをもとに、個人に対して、障害年金手続代行サービスを提供しています。

このサービスに加えて、企業向けの事業として「障害者雇用定着支援事業」も行っています。

今回は、この企業向けの事業をご紹介するコラム。

なぜ、みんなのねんきんが、企業の雇用支援に乗り出したのか。

そこには、私自身の人生の歩みから生まれた、揺るぎない「信念」があるのです。

ここだけの話、障害者支援の背景事情はこうです

「私自身が、障害者である」という原点

まず、読者の皆さんにお伝えしたいことがあります。

それは、私、岡田自身も、身体に障害を持つ当事者であるということです。

私はかつて、製造業の現場で勤務していた際、不慮の事故で左手を機械に巻き込まれ、親指以外の四本の指を失いました。

病院のベッドで当時の私が味わった絶望は、言葉では言い表せないものでした。

「もう以前のように働くことはできない」

「社会から必要とされない存在になってしまうのではないか」

そんな底知れない不安に、毎日押しつぶされそうになっていました。

その後は、障害年金と障害者手帳の手続きを行い、障害者として生きていくことになりました。

事故に遭った製造業の会社は続けることができませんでしたが、「障害者雇用」という枠組みで別の会社に転職したのです。

実際に障害者雇用枠で働くと、そこで目にしたのは、様々な障害を持ちながらも、各々の特性を生かし働く仲間たちの姿でした。

この「当事者として働いた日々」が、私の今の活動の原点になっています。

製造業の”管理職”としての視点

もう一つ、私の大きな強みとなっている経験があります。

それは、製造業の現場で「役職者」として、管理業務に携わっていたことです。

製造現場での管理職は、常に「効率」と「品質」、そして「安全」のすべてをコントロールしなければなりません。

限られた時間とリソースの中で、いかにミスをなくし、工程を円滑に進めるか。

日々、膨大な業務フローを整理し、部下を適材適所に配置する。

そのために行っていたのが、業務の徹底的な「標準化」と「解体」でした。

私は、「障害のある労働者としての痛み」と、「企業側の管理職としての責任」

この両方の立場を、身をもって知っています。

「働きたいけれど、伝え方がわからなくて苦しい」という本人の気持ち。

「雇いたいけれど、現場の業務が回らなくなるのが怖い」という管理者の不安。

この両方の視点があるからこそ、どちらか一方に偏ることのない、極めて現実的で実効性の高い支援ができるのだと確信しています。

障害者雇用の相談が急増しています

これまで私たちは、主に個人のお客様の障害年金申請をサポートしてきました。

しかし、ここ数年、企業の担当者様からも切実なご相談が急増しています。

企業様から寄せられるお話を聞くと、現場は今、深刻な「ミスマッチ」に直面しています。

中でも企業が最も頭を抱えているのが、「精神障害」のある方の雇用と定着です。

現場では、このような声が溢れています。

「採用しても、体調が不安定で数ヶ月ですぐ辞めてしまう

「精神障害の特性がわからず、現場の社員が腫れ物に触るような対応になり、チームが疲弊している」

「指示がうまく伝わらず、お互いに誤解が積み重なって人間関係が壊れてしまった」

企業側も、決して「雇いたくない」わけではありません。

むしろ「貴重な戦力になってほしい」と願っています。

しかし、精神障害という「目に見えない困難」に対し、管理職としてどう向き合えばいいのか、その具体的な「処方箋」を持っていないのです。

避けては通れない「法定雇用率」の引き上げ

さらに企業に対応を迫るのが、法定雇用率の引き上げです。

民間企業の雇用率は、2026年7月から「2.7%」へと引き上げられます。

これは、従業員37.5人以上の企業であれば、少なくとも1名以上の障害者を雇用する法的義務が生じるということです。

また、官公庁や国立研究開発法人などの基準は、さらに高い「3.0%」となります。

研究所の多くは、すでにこの3.0%という高い目標を掲げ、必死に動いています。

しかし、数字だけを追い求めた雇用は、必ずどこかで破綻します。

未達成による「納付金(不足1人につき月額5万円)」の支払いだけではありません。

「あの会社は障害者に優しくない」という「企業名の公表」によるブランドイメージの失墜。

そして何より、現場の社員の離職という、取り返しのつかないリスクが潜んでいるのです。

社会との壁、そして憲法の義務

現在、国内の障害者総数は1,164.6万人。

人口の約9.3%にのぼります。

(出典:厚生労働省「令和4年生活のしづらさなどに関する調査」)

これほど多くの方がいるにもかかわらず、雇用されている人数との間には、依然として大きな隔たりがあります。

障害があっても「社会に貢献したい」と願う方はたくさんいらっしゃいます。

日本国憲法第27条には「すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。」と定められています。

社会を支える一人として働くことは、人間としての根源的な誇りです。

障害があるからといって、その「国民としての義務を担う権利」が奪われていいはずはありません。

私自身が障害者として、一度社会から切り離されそうになったからこそ、その「壁」の高さが痛いほどわかります。

だからこそ、企業と当事者の間に立ち、その壁を一つずつ壊していく必要がある。

それが私の使命です。

ここだけの話、みんなのねんきんの支援事業の特徴です

では、具体的にどのようにして企業と障害のある方の間を橋渡ししているのか。

みんなのねんきんのアプローチは、月数回の企業訪問を通じた「超・現場主義」のコンサルティングです。

「困りごと」の徹底的な明確化

まずは現場で徹底したヒアリングを行います。

何が「しんどさ」の原因なのかを明確にします。

企業側、障害のあるご本人、双方の言い分を整理し、客観的なデータに基づいて状況を説明します。

「何が起きているか」を共通認識にすることからすべては始まります。

製造業の知見を活かした「業務の因数分解」

ここで、私の管理職としての経験が最大限に発揮されます。

既存の工程表を一度バラバラに分解する「業務の因数分解(ジョブ・カービング)」です。

複雑な一連の作業を、最小単位のタスクへと切り分けます。

「この工程を個別に切り出せば、本人は高い精度で遂行できる」

「このフローを視覚化すれば、誰でも迷わずに進められる」

製造現場で培った「標準化」の視点を用いて業務を再設計することで、障害のある方の「成功体験」を積み上げ、戦力としての練度を飛躍的に高めていきます。

当事者だからできる、悩みの「翻訳」

分解した業務を伝える際、私たちの真骨頂は「翻訳」にあります。

私たちは、ご本人が実はどこで悩んでいるのか、どんな勘違いをしていたのかを、当事者同士の感覚で探り当てます。

その上で、現場の指示を「本人に伝わる形」へと再構成します。

「曖昧な表現を避け、具体的な数値や完了の定義を示す」「口頭ではなく、写真付きの張り紙で視覚的に示す」この翻訳作業があるだけで、驚くほど現場の混乱は収まります。

「これならできる」という確信が、ご本人の不安を消し去るのです。

合理的配慮は「設備」ではなく「仕組み」で解決する

2024年4月に改正された障害者差別解消法により、障害を持つ一般顧客に対する合理的配慮が義務付けられるようになりました。

ただ、企業側は「高額なバリアフリー設備が必要なのではないか」と構える必要はありません。

私たちが現場で提案するのは、以下のような「コストをかけないソフト面での工夫」が中心です。

視覚化の徹底:何度も確認しなくて済むよう、手順を写真付きで掲示(張り紙)

定時巡回と声掛け:自分から「困っています」と言い出せない特性を考慮し、管理者側から定期的に「今の進捗はどう?」と確認するルール作り

指示の出し方の統一:指示を出す担当者を一人に絞る、または連絡帳などの活用

これらはお互いの少しの歩み寄りから生まれるものです。

大がかりな工事よりも、「相手の特性を理解し、コミュニケーションの形を変えること」

それこそが、最も効果的な定着支援なのです。

障害年金×定着支援が生む「経済的・精神的安定」

社会保険労務士として、私たちが提供できる独自の価値。

それは、「障害年金による経済的基盤」と「就労による社会貢献」セットで支援することです。

精神障害のある方にとって、一番の恐怖は「体調を崩して働けなくなったときの収入断絶」です。

この不安が過度なプレッシャーとなり、かえって離職を招く悪循環があります。

障害年金というセーフティネットを確保できていれば、心に「余白」が生まれます。

「万が一の時も生活が守られている」という安心感があるからこそ、無理のない範囲で、長く安定して働き続けることが可能になるのです。

ここだけの話、今回のまとめです

【みんなのねんきん】岡田真樹社会保険労務士

今回は、みんなのねんきんの企業向けの事業として「障害者雇用定着支援事業」をご紹介しました。

ポイントは以下のとおり。

  • 代表の岡田は障害者の当事者であり製造業の管理者の経験も有している
  • 法定雇用率の引き上げ、精神障害者の雇用の難しさから弊社への相談が急増
  • 障害年金手続代行+障害者雇用の定着支援一体的に提供できるのがみんなのねんきんの強み

障害者雇用は、決して「法律で決まっているから仕方なくやるコスト」ではありません。

それは、自社の業務フローを根本から見直し、誰にとっても働きやすい「強い組織」を作るためのポジティブな投資です。

私自身、障害者として、障害者枠の労働者として、そして製造現場の管理職として。あらゆる視点を経験してきたからこそ、この国の雇用環境を本気で変えたいと思っています。

障害のある方が社会としっかりつながり、憲法の義務を全うし、生き生きと貢献している。その姿を見ることこそが、私自身の喜びであり、使命です。

私たちは、障害年金手続の専門知見と、現場に即した実務支援で、障害者雇用の「採用・定着・活用」をトータルでサポートします。

  1. 現状分析:現場のリアルな課題を分析します。
  2. 戦略策定:社風に合わせ、既存社員も納得できる雇用方針を提案します。
  3. 業務切り出し:「業務の因数分解」により、即戦力となる職務を設計します。
  4. 定着・活躍支援:当事者の「翻訳」を通じ、長期的な戦力化を支援します。

障害者雇用でお悩みの企業の担当者様、あるいは将来に不安を抱えるご家族の皆様。一人で悩まないでください。私たちが最強のパートナーとして伴走します。

誰もが社会から取り残されず、誇りを持って貢献できる未来。

それを共に作っていくことが、私の使命です。

ぜひ一度、弊社の障害者雇用コンサルティングのページをご覧いただき、お気軽にご相談ください。

  • この記事を書いた人
社会保険労務士 岡田真樹

岡田真樹 みんなのねんきん社労士法人代表

大学卒業後メーカー勤務中に左手を機械に巻き込まれ、親指以外を失う大ケガを負う。その後は障害者雇用の枠で聴覚・発達・精神・身体障害を持つ方々と働いた経験を持つ。障害年金の手続きを自ら行なったことを契機に社会保険労務士の道へ。2021年より現職。年間約1000件の相談に応じている。

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